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終活の進め方は人それぞれ

2020.05.11

 

 心療内科のクリニックでは、高齢者の方から日々の様々なストレスや悩みについてのお話をお伺いすることがあります。その際に、ご自分のこれからの人生についてどうお考えですか?とお聞きすると、「健康で過ごしたい」「最後まで人に迷惑をかけずに楽しく過ごしたい」などと漠然とした答えの方がいらっしゃる一方で、「もう全部決めています。」と終活という課題に向き合い、準備を終えている方もいらっしゃいます。なぜそのように終活の進め方が人それぞれ異なるのでしょうか。

 心理学には「同時処理」「継次処理」という言葉があります。同時処理とは、全体像や最終イメージを意識しながら、個々の課題を解決していく処理の仕方です。同時処理においては、全体像や最終イメージが望ましいものにすることが最も重要であるため、どの課題から順番に処理すべきかや、そのプロセスの意義を追求することには執着しない傾向があります。一方、継次処理とは、物事を段階的に進める処理の仕方で、今目の前にある課題が終わったら、次の課題に進むというやり方です。継次処理においては、最初から最終的なゴールや目標を定めず、目の前の課題を解決しながら、徐々に全体像を完成させていくため、完成イメージや最終的な成果がどうなるかということよりも、そのプロセスに意義を見出す傾向があります。このように、課題に直面したときの処理の仕方には、同時処理と継次処理という異なるパターンがあり、同時処理が得意な方もいれば、継次処理が得意な方もいらっしゃいます。

 ちょっとわかりにくいので、同時処理と継次処理のイメージを、料理を例に説明します。同時処理が得意な方は、料理においても、最終的にどう仕上がればよいのかという最終イメージを一番に大事にします。そのため、料理の目的、予定時間、予算や手間などの全体像や最終イメージを考えた上で、メニューと調理方法を考え、材料と時間の許す限り良い料理を作ろうとします。その際、自分が今日何を食べたいのか、どんな食材を使いたいのか、調理するプロセス自体を楽しめるのかというプロセスの意義は、あまり追求しません。したがって、時間に余裕があれば、家にない食材を買いに行くこともありますが、その食材を購入することが料理の完成度にさほど影響しないと予測される場合には、わざわざスーパーには行きません。また、時間がなければ冷蔵庫の食材を見てメニューを決めます。 

 一方、継次処理が得意な方は、料理のプロセスを大事にされます。今食べたいものをじっくり選び、その上で、食材を買いにスーパーに行き、買い物というプロセス自体も楽しんでしまう傾向があり、スーパーに陳列された食材で気になるものがあると、今日の料理に関係のない食材までも買ってしまうこともあります。このタイプの方は、自分が好ましいと思う方法にこだわって順に調理し、調理自体も楽しみ、最後に美味しくできたかを確認し、納得した上で食卓に料理を出します。

 料理の例で見たように、同時処理が得意な方は物事の全体的像をイメージしながら要領よく処理し、継次処理が得意な方は一歩一歩、一つ一つ、丁寧にプロセスを進める傾向があります。終活も同様で、終活の進め方は人それぞれです。晩年の全体像をイメージしながら終活を進める方もいらっしゃれば、目の前のプロセスを大事にされる継次処理が得意なタイプの方もたくさんいらっしゃいます。

 皆様にとって終活はどのようなものでしょうか。残された人生を有意義に過ごせるよう、人それぞれのアプローチを大事にしていただきたいと思います。

財津康司

 

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